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A group of short stories about Dominica and her adventures before she became a member of the 504JFW. The English Translation can be found here.

Part 1Edit

1943年 夏 ブリタニア

私は、ジェーン・T・ゴッドフリー、リベリオン陸軍第8航空軍に所属するウィッチである。
大尉なんてご大層な階級をいただいているものの、ブリーフィングルームに一堂に会した
同僚たち~超人と呼んでいい~にくらべて、我ながら何とも頼りない。

集まった我々に、基地司令がいつもの長い演説をぶつ。
なんだかよくわからないが、勇敢なるウィッチ諸君に、我がリベリオン合衆国独立記念日を
祝し休暇を与える、とかなんとか、そういう風なことを言っているのだろう。

休暇?
たちまち皆の顔に喜びが浮かび、次の瞬間に爆発した。
「どこに行く?」「何買う?」と皆大騒ぎだ。

「こら、貴様ら!嬉しいのはわかるが静かにしろ!」

司令の大声で、皆は声だけ小さくしたものの、今にも椅子から腰が浮きそうな様子。
もちろん、私だって嬉しい。本国の家族にお土産を送ろうか、年若い国リベリオンにはない、
歴史ある町並みを散策しようか、そういえば基地でロンドン観光ガイドブックを見たような。
そんなことを考えながら、となりに座ったわが編隊の長機、ジェンタイル大尉を見た。

皆から、そして私からもだが、愛情を込めて「大将」と呼ばれるジェンタイル大尉は、
いつもと変わらぬ退屈そうな顔で机に肘をつき、ガムを膨らませたり、しぼませたり。
休暇と聞いても嬉しそうな様子はいっさい見られない。

そうこうしているうちに、司令の長話も終わる。
皆はまだ興奮冷めやらぬ調子で、貴重な休暇をいかに過ごすべきかで盛り上がっている。

一方のジェンタイル大尉はというと

「ロンドンだ」
「ロンドン?」
「買い物して、観光だ」

ジェンタイル大尉のプランはというと、ロンドン観光に有名百貨店でショッピング。

「大将、意外とベタですな、んん?」

あの大将が、ガイドブックのおすすめコースそのままのような休暇プランを話すのが
面白く、ちょっとからかってみたが、当の大将はというと、
「おまえ熱でもあるのか?悪いモンでも食ったのか?」とでも言いたげな不審な
表情で私を見つめる。な、なによう。

「ジェーンが」
「わたし?」
「ジェーンが行きたいって言ってただろう。ロンドンと、買い物」
「へ?」

そういえば、以前そんなことを言った気がする。さっきもそうしようかなと思っていたし。

「ロンドン観光と買い物、それでいいか?」
「う、うん」
「じゃあ決まりだ」

みれば、部隊のみんなはまだどこに行こうか、何を食べようかという話題の真っ最中である。
休暇プランが決まったのは、私と大将が一番早いみたい。


Part 2Edit

1945 ロマーニャ郊外 夏

カーテンの隙間から差し込む、柔らかな朝日で目がさめる。
簡素だが最低限のものはそろった部屋。清潔なシーツと柔らかいと枕。
壁にはローマニャの風景画なんて掛かっている。

ここは病室だ。

戦場で負傷した私は、応急処置を施された後、ここに来たらしい。
らしい、というのは、当時のことをよく覚えていないからだ。

魔力を限界まで消耗し、視界がゆがむ。もうネウロイの、個々の姿が判別できない。
最後におぼろげに覚えているのは、私を抱き寄せた力強い両手の感覚と、
互いを気遣いながら戦闘をする、ウィッチ二人の声だ。

その声の主が、病室のドアをノックしている。
時間のことがどうとかやり合っている二人の声は、ドアの向こうからでもよくわかる。
私は二人を部屋に招き入れた。

「アンジー、どうだ?」
私に問いかけてきたのは、気怠げな雰囲気をまとった長身のウィッチ、“大将”ドミニカ大尉。

「大将!やっぱりアンジェラさん、まだ寝てたところじゃないですか!」
こちらは、少し小柄なジェーン・ゴッドフリー大尉。二人とも、私が所属する部隊の同僚だ。

「いや、起きてたから、気にしないで欲しい」
私が答えると、二人は今日の目的を話し始めた。

「こんな朝早くからごめんなさい、昼まで待とうって言ったのに、大将ったら聞かないんだから」
「ジェーンが張り切ってドーナツ焼いてたからな。私も張り切ってみた」
「ちょっと大将!なんですぐばらすのよう。サプライズのつもりだったのに」
「そうか、すまん」

どうやらジェーン大尉が、見舞いにお手製のドーナツを持ってきてくれたらしい。
幸い、というわけでもないが、私の傷は外傷がほとんどで、食事に関しては問題がない。

「ありがとう、いただきます」
早速渡された包みを開けると、ほんのりと甘い、生地と砂糖の匂い。
シンプルなシュガーコートのドーナツだ。

「どうせなら、一緒に食べる?二人とも朝早かっただろうから」
「そりゃいいな」
「だから大将!ちっとは遠慮ってもんをですね!」

賑やかなやりとりに心が和らぐ。
その一方で気がかりなこともあった。戦場で孤立した私を救出したさいに、ドミニカ大尉が
負傷し、一時入院していたと聞いたからだ。

「すまない」
「何が?」
「何って・・・私のせいで、負傷したのだろう?」
「何を言ってる?私が負傷したのは「ネウロイのせい」だ、あんたのせいじゃない」
「いや・・・しかし」

ドミニカ大尉を相手に話しても、一事が万事この調子である。

「ほらもう、大将がそんなだからアンジェラさん困ってるじゃないですか」
「そうか?」
「でも、本当、気にしないでくださいね。だいたい大将が無茶苦茶な飛び出しするから
 怪我するんです!自業自得って奴です!サポートする方の身になって下さいです!」
「ジェーンのサポートは完璧だったぞ。惚れ直した」
「あうっ」

やれやれ、この二人を見ていると、「いろこいざた」には興味がない私でも、
表情がゆるんでしまう。

「笑った」
ドミニカ大尉に言われる。

「私が笑っては、おかしいか?カールスラント人じゃあるまいし」
「おかしくはないさ」

そういうドミニカ大尉の、いつもの気怠そうなポーカーフェースの陰から、ちらり
と喜びの色が見えたようだった。

「帰るぞ、ジェーン」
「ええっ!来たばかりなのに」

目的は達したとばかりに、来たときと同じばたばたとした様子で二人は帰っていった。

結局、食べていかなかったな。もぐもぐと甘いドーナツをほおばりながら、
窓から見える、二人乗りのバイクを私は見送った。


Part 2, updated versionEdit

(A few hours after posting the original 504b.txt, Humikane posted a revised version of the same part, noting he changed something about 'donuts')



1945 ロマーニャ郊外 夏

カーテンの隙間から差し込む、柔らかな朝日で目がさめる。
簡素だが最低限のものはそろった部屋。清潔なシーツと柔らかい枕。
壁にはローマニャの風景画なんて掛かっている。

ここは病室だ。

戦場で負傷した私は、応急処置を施された後、ここに来たらしい。
らしい、というのは、当時のことをよく覚えていないからだ。

ネウロイとのコンタクトを目的とした、トラヤヌス作戦は失敗に終わった。
そのこと自体に、さしたる感慨はない。ウィッチがなにかと特別扱いされるはいえ、
私は末端の一兵士に過ぎないのだ。
ネウロイとの会話?そんなものは学者先生が考えればいい。

問題はその後のことだった。カールスラントを転戦していた頃にも見たことがない
巨大なネウロイの巣。突然現れた”あれ”によって、ヴェネツィアは落ちた。そして、私も。

魔力を限界まで消耗し、視界が黒く染まる。もうネウロイの、個々の姿が判別できない。
最後におぼろげに覚えているのは、私を抱き寄せた力強い両手の感覚と、
互いを気遣いながら戦闘をする、ウィッチ二人の声だ。

その声の主が、病室のドアをノックしている。
時間のことがどうとかやり合っている二人の声なら、ドアの向こうからでもよくわかる。
私は二人を部屋に招き入れた。

「アンジー、どうだ?」 私に問いかけてきたのは、気怠げな雰囲気をまとった長身のウィッチ、“大将”ドミニカ大尉。

「大将!やっぱりアンジェラさん、まだ寝てたところじゃないですか!」
こちらは、少し小柄なジェーン・ゴッドフリー大尉。二人とも、私が所属する部隊の同僚だ。

「いや、起きてたから、気にしないで欲しい」
私が答えると、二人は今日の目的を話し始めた。

「こんな朝早くからごめんなさい、昼まで待とうって言ったのに、大将ったら聞かないんだから」
「ジェーンが張り切ってドーナツ揚げてたからな。私も張り切ってみた」
「ちょっと大将!なんですぐばらすのよう。サプライズのつもりだったのに」
「そうか、すまん」

どうやらジェーン大尉が、見舞いにお手製のドーナツを持ってきてくれたらしい。
幸い、というわけでもないが、私の傷は外傷がほとんどで、食事に関しては問題がない。

「ありがとう、いただきます」
早速渡された包みを開けると、ほんのりと甘い、生地と砂糖の匂い。
シンプルなシュガーコートのドーナツだ。

「どうせなら、一緒に食べる?二人とも朝早かっただろうから」
「そりゃいいな」
「だから大将!ちっとは遠慮ってもんをですね!」

賑やかなやりとりに心が和らぐ。
その一方で気がかりなこともあった。戦場で孤立した私を救出したさいに、ドミニカ大尉が
負傷し、一時入院していたと聞いたからだ。
どういっていいかわからない。だが、今を逃せば、余計言いづらくなるだろう。

「すまない」
結局そんな言葉しか出てこなかった。

「何が?」
ドミニカ大尉に聞き返される。

「何って・・・私のせいで、大尉は負傷したのだろう?」
そういう私に、ドミニカ大尉は不思議そうに首をひねる。

「わからんことをいうな。私が負傷したのは「ネウロイのせい」だ、あんたのせいじゃない」
「いや・・・しかし」

ドミニカ大尉を相手に話すと、一事が万事この調子だ。
これ以上どう話せばいい?そんな私の様子を見かねてか、ジェーン大尉が助け船を出してくれる。

「ほらもう、大将がそんなだからアンジェラさん困ってるじゃないですか」
「そうか?」
「でも、本当、気にしないでくださいね。だいたい大将が無茶苦茶な飛び出しするから
 怪我するんです!自業自得って奴です!サポートする方の身になって下さいです!」
「ジェーンのサポートは完璧だったぞ。惚れ直した」
「あうっ」

やれやれ、この二人を見ていると、「いろこいざた」には興味がない私でも、
表情がゆるんでしまう。

「笑った」
ドミニカ大尉に言われる。

「私が笑っては、おかしいか?カールスラント人じゃあるまいし」
「おかしくはないさ」

そういうドミニカ大尉の、いつもの気怠そうなポーカーフェースの陰から、ちらり
と喜びの色が見えたようだった。

「帰るぞ、ジェーン」
「ええっ!来たばかりなのに」

目的は達したとばかりに、来たときと同じばたばたとした様子で二人は帰っていった。

結局、食べていかなかったな。もぐもぐと甘いドーナツをほおばりながら、
窓から見える、二人乗りのバイクを私は見送った。


Part 3Edit

リベリオンの大尉二人が去り、再び私は一人になった。
いつもの朝とちがうことと言えば、ベッド脇の小さなテーブル置かれた、ドーナツの包みくらいだ。

一人になると、またいつもの考えが浮かんでくる。

ロマーニャの人たちは、他国人の私を快く迎え入れてくれた。精鋭赤ズボン隊の名誉までも。
トラヤヌス作戦では504が中心的役割を担うと聞き、いつもの青中隊の制服ではなく、
赤ズボン隊の制服を着て出撃した。隊の皆からは散々からかわれたが、別に構わなかった。
ただ・・・

--私は、ヴェネツィアを守れなかった--


物思いをする時間だけは、十分すぎるほどある。もう二時間もたった頃だろうか、病室のドアが
ノックされた。
(どうせいつもの検診だろう)

顔を上げもせず、来訪者を部屋に通す。

「や、アンジー調子どう?」

突然予想と違う声をかけられ、面食らった。
見れば、そこに立っていたのは、私と同じく504所属、パトリシア“パティ”・シェイド中尉。
シールドコントロールの名手である彼女は、自らが消耗しきるまで撤退する皆を支え続け、私も救ってくれた。

「調子か・・・悪くはない」
「ふうん、控えめなアンジーがそういうなら、ホントに悪くはないみたいね。」
「そういうパティは」
「私?私はもう、全然、ほら」

パティが右の手のひらを差し出すと、そこに小さなシールドが発生し、ゆっくりと回転する。
その直径は15センチくらいかと思えば、その倍以上に、今度は野球のボール大にと、めまぐるしく変化する。
最後には、大道芸人が見せるジャグリングのように、小さなシールドを右手から左手に、
またその逆に飛ばしてみせさえした。

「相変わらず器用だな」
「それはどうも」

パティはイタズラっぽい笑みを浮かべて、話を続ける。
「私はともかく、パパのほうが大変だったんだから。わんわん泣いて、今からロマーニャに行く!
 って、周りを困らせたんだって。ブリタニアからよ?このご時世に民間人が自由に移動なんて
 できるわけないのにね」

呆れたように言うが、パティの表情に浮かぶ嬉しさは隠しようもない。

「皆は?」
「うーん、504の部隊ってことでいえば、まだまだね。隊長と竹井は毎日調整に走り回ってるわ」
「ふむ」
「やられたのはうちの部隊だけじゃないしね。まあ、当面はかの有名な501が後を引き継いでくれた
 みたいだし。ってあら、美味しそうなドーナツ」
「食べてくれ」
「いいの?へえ・・・美味しい!こんなおやつ出るなんて、この病院なかなかいいところじゃない」
「いや、それはジェーン大尉が」

言いかけたところでパティがむせかえる。

「ちょ・・ちょっと、先に言ってよね。見舞いの品だったら」
「あの二人だったら、別に怒ったりしないだろう。それに、一人じゃ食べきれない」
「それはそうだろうけど・・・ふうん・・・あのおしどり夫婦がね」

今度は私がむせる番だった。

「なに?私、何か面白いこと言った?」
「いや、ずいぶんストレートな物言いだと思って」
「事実だもん。会ったならもう知ってると思うけど、あの二人は問題なしね」
パティは軽く肩をすくめておどけてみせる。

「赤ズボンの3人組は、この前501の基地に行ってたみたい」
「501に?」
「ご挨拶ってところじゃないの? いろいろあったみたいだけど、フェルはミヤフジっていう
 すごい治癒魔法使いがいるって言ってたわ。私にもあんな力があれば、って」
「・・・フェルは、あの状況の中で充分すぎることをしてくれたと思う。パティも。」

「アンジーもね」
パティは急に真面目な顔になって言う。

「アンジーのおかげで、竹井も、三人組も助かったの。あなたは、自分ができることを精一杯してくれた」
「だから、誰からも責められたりしないし、恥ずかしく思う必要なんてないわ」

考えを見透かされたようで、ぎくりとする。この部隊は調子が狂う相手ばかりだ。

「ありがとうね、アンジー」
「・・・」
「それじゃ、ドーナツごちそうさま。あ、ジェーンさんに言わないといけないか」

パティは小さく手を振って、部屋を出て行った。

また一人となった私は、ドーナツをもぐもぐとしながらパティの言葉を思い返していた。
物思いをする時間だけは、十分すぎるほどある。

Part 4Edit

「なんでなのよっ!」
大きく机を叩き、それに負けず劣らずの大声をあげた。

「なにがですか?」
あまり関心なさそうに聞いてきたのは、長身でおとなしい性格のルチアナ少尉。

「どうせ戦闘隊長のことでしょ、もぐ 扶桑の もぐ」
こっちは椅子を器用に傾けてバランスをとって座っているマルチナ曹長。
大きな食パンの切れが口からはみ出している。

「慌てて話すと、喉詰まらせちゃうよ」
ルチアナはマルチナの前に牛乳の入ったコップを差し出す。
「あんがと、ルチアナ」


「そんで、なんなのフェル?結局?」
マルチナが聞く。

「人事のことよ、人事!」
「あ、やっぱり。予想どーりだね、ルチアナ」
「そうですね」

ふん、マルチナってばこういうのは妙に鋭いんだから。
私の主張はこうだ。
「ロマーニャの空は、ロマーニャ空軍が守るべきよ!」

「それはそうですが」
とルチアナ

「JFWってそういうもんでしょ?」
とマルチナ

「各国共同編成ですからね」
「あの501も、隊長はカールスラント人で、戦闘隊長は扶桑人でしょ」

「そんなの知ってるわよ、もう」
この二人じゃお話にならない、こうなったら直接隊長、フェデリカ少佐と話さないと収まらないわ。

長い廊下を歩き、少佐の個室ドアをノックする。

「はいは~い、入って」
明るく張りのある声に促され、モダンにまとめられた部屋に入る。

「あら、フェルじゃない、どーしたの?」
少佐は学校の上級生みたいな、砕けた態度で私に接してくる。ま、ほとんどの人にそうなんだけど。

「少佐にお聞きしたいことがありまして」
「ん~、わかった!あのことでしょ」

はあ、少佐にはやっぱりお見通しか、顔に出てたかしら。なんて思ってたら

「昨日の食事!国際共同部隊なんていうから、厨房が張り切り過ぎちゃってしっちゃかめっちゃか
だったわね。それにしてもブリタニア料理ときたら・・・いやいや、これは政治的にまずい発言ね。
とにかく、つぎはもっとフツーのロマーニャ料理メインにしてもらうわ」

「・・・いえ、その」
「あれ?違った?もしかしてブリタニア料理お気にいってたとか?」
「それも違います」
「もう、わかんないからフェルから説明して」

「戦闘隊長の人事のことで」
「はぁん、そのこと」

「JFWってのはいろいろめんどくさいのよね。どこもボランティアでエースを出してる
訳じゃないから。引退間際の私が、名前だけでも隊長なんだから御の字よ」
「少佐はまだまだ現役です」
「あら、ありがと。そりゃまだまだ空でもイケてるって自信はあるけど、これはこれで
なかなか刺激的なお仕事よ」

「つまり、部隊の性格上、政治的な意味での人事ということですか?」
「ずばりと聞くわね。タケイの階級はお飾りじゃないけど、政治的かと言えば100%の否定はしないわ。
フェルも言いたいことあると思うけど、この件については仕方ないわね」

結局、そう言うことなのだ。そう、仕方ないのこと。
確認するように声に出して答える
「そうですね、仕方のないことです」

「ほんとに?」
少佐に聞き返され、どきりとする。
「じゃあロマーニャ人の戦闘隊長を連れてくれば、フェルはそれで良かったの?」

やっぱりお見通しだったか。

少佐は赤ズボン隊の先輩であり、504に来たのも少佐の誘いがあったから。
マルチナ・ルチアナと一緒じゃないと、という私のわがままも聞いてもらっている。
多少スキンシップが過ぎる部分があるが、ずいぶん可愛がってもらったし、気恥ずかしいが
恩人といってもいい人物だ。
周囲はなんとなく、私を少佐の後継者的に見ていたし、自分もそうだと自惚れていた。

少佐にここに呼ばれ、その少佐に、組織運営に専念したいので、現場は別のものに任せる、
それは扶桑人の大尉だ、と聞かされたとき、私はどんな顔をしてただろうか。
冷静に考えて、少佐やもっと上の人たちの人事は正しいのだ。ただ、それを
政治上のことだから仕方ない、と思いこみたかった。少佐の口からそういってほしかった。
そんなことを少佐に隠しておけるはずもないわね。何やってるのかしら、私。

「ねえ、竹井は”出来るオンナ”よ。ぴったりくっついて、盗めるものは何でも
盗んじゃいなさい。」
無言でうつむいていた私を、少佐は優しく抱きしめてくる。この人の愛情表現は
いつもやり過ぎ、距離が近すぎだわ。

「出来るわね?私が見込んだフェルナンディア中尉さん?」
「・・・はい」
「よろしい」

はあ、わたしってばもう、やるしかないじゃないの。タケイって言うのがどういうウィッチ
か知らないけど、やってやるわよ!


----フェルナンディア退室後、少佐の部屋で-----

「竹井、ごめんなさいね、体痛くない?」
「いえ、大丈夫です」
「それにしても冴えてたわね、あの子が来たと思ったらすぐ机の下に隠れて」
「盗み聞きになってしまってすいません」
「いいわよ。私とあなたしか知らないんだから。ねえ・・・竹井、あの子たちのこと、よろしく頼んだわよ」


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